消えゆく表現手法
文字通り「浮かれた世の絵」を意味する浮世絵は、17世紀に始まった日本の有名な木版画のことです。また、西洋世界が持っている、いわゆる日本のビジュアル的特徴と同義でもあります。『名所江戸百景』はおそらく、近代の表現形式として写真というものが普及する前の、最後で最高の木版画代表作品でしょう。フィルム写真もまた同じように、デジタル画像に取って代わられてきており、『東京百』は、そんな広大な世界の探検を創り出す、最後の試みのひとつとなっています。
技術的な点では、フィルム写真には版画と同じく、画像を縁取る余白部分があります。これは、ネガを現像するプロセスから生じるものです。”